松屋銀座で紡がれる「福山デニム」の新たな物語。
クリエイティブの祭典「TOKYO CREATIVE SALON」。松屋銀座では本イベントに連動し、3月11日(水)より「松屋の地域共創 日本の春 × TOKYO CREATIVE SALON」と銘打ち、地域共創の取り組みの一環として、「福山デニム」をふんだんに使ったショーウィンドウで春の銀座を彩ります。
一本の糸が生地になり、ドレスになり、纏う人を輝かせる。
ウインドウのデザインを手がけたのは、元バーニーズ・ジャパンで長らくクリエイティブディレクターを務めた谷口勝彦氏(taniguchi合同会社代表)。広島県福山市のデニムを使ったロングドレスに、群馬県桐生市の刺繍ワッペンを散りばめて、日本のモノづくりの魅力をエレガントに引き出しています。

一本の糸がやがてデニム生地になり、優雅なドレスになり身に纏う人を輝かせる。そんな物語性のあるディスプレイが、道ゆく人たちの目を楽しませます。
優雅なドレスに込めたのは、モノづくりの技とデニムの魅力。

注目すべきは、多様なデニムの色と柄。濃紺、ペールトーン、ペイズリー、小花柄など、実に6種類の生地が使われています。これらの生地を開発・提供するのは、独自の染色加工技術で多くのアパレルブランドから支持を得る「山陽染工株式会社(広島県福山市)」です。
広島県福山市は国産デニムの8割を生産する、日本屈指のデニムの産地。

人口約46万人。岡山県との県境に位置する広島県福山市は、広島市に次ぐ中核市です。瀬戸内沿岸部のほぼ中央にあり、温暖な気候と海や山の幸に恵まれる一方、鉄鋼・造船といったモノづくりがさかんなエリアでもあります。
デニムは、福山市を代表する産業のひとつ。あまり知られていませんが、国産デニムのおよそ8割を生産する日本屈指の産地。江戸時代には、日本三大絣のひとつ「備後絣(びんごがすり)」がこの地域でさかんに織られていました。その織元さんたちが、時代の流れとともにデニム産業へと転換していったことが、現在の礎になっています。
山陽染工もまた、備後絣を起源とする企業。大正14年(1925年)創業、100年以上の歴史を持つ染色加工会社で、特にインディゴ染めした生地の色を抜く「抜染(ばっせん)」という技術に定評があります。
デニムの産地・福山へ。伝統産業の若き担い手に会いに行く。

工場で出迎えてくれたのは、今回の取り組みに関わった新規事業部の湯浅遼太さん。デニムとジーンズの違いについて尋ねると、「デニムは生地の種類。ジーンズは服の形の名前。そう思っていただけるとイメージしやすいです」と教えてくれました。山陽染工で取り扱う生地は、デニムだけではありませんが、デニムの産地で100年以上染色加工をしてきた会社だけあって、「会社の歴史は、デニムの可能性を模索してきた歴史だと思う」と話す湯浅さんの穏やかな口調のなかに、誇りがにじみます。
デニムの表現力を広げる「段落ち抜染」という新たな技法。

特に力を入れているのが、10年ほど前に自社開発した「段落ち抜染」という技法。単に色を抜くのではなく、色の抜け具合に濃淡をつけることでグラデーションが生まれ、多彩な柄を表現できるのが特長です。
また、福山市内の百貨店にFUKUYAMA MONO SHOPというアンテナショップを運営。そこで取り扱う山陽染工オリジナルのデニム商品が、3月18日(水)~24日(火)期間限定で松屋銀座5階プロモーションスペース店頭に並びます。
一流の感性に触れることを、純粋に楽しみました。
今回のショーウィンドウ制作について尋ねると、「単純に面白かったです!」と目を輝かせる湯浅さん。見慣れてしまった自社の技術に新たな価値を見出し、固定観念を壊してくれる。外からの刺激は、とても新鮮でありがたいのだとか。山陽染工にとっても新たなチャレンジの機会となり、確かな経験値が会社に残る。だからこそ、今回のプロジェクトに大きな意義を感じているのだそうです。特に印象に残ったことは、生地だけでなく、糸も展示したいと言われたことのようで「普段は加工した生地を出荷しますが、今回は原材料の糸も展示に使うと聞いて、工場内を駆け回って、“雰囲気のいい糸”を集めました」と、朗らか笑顔を見せてくれました。
多くの人の目にふれる銀座で、福山デニムの存在を届けたい。
生産量から考えれば、私たちは知らず知らずのうちに福山デニムのジーンズを履いているかもしれません。しかし、福山デニムという存在は、まだまだ多くの人に知られていないのが現状です。「だからこそ、この機会に福山デニムの認知度を高めていきたい」そう力を込める湯浅さんからは、福山の伝統産業を担う技術者としての覚悟が伝わってきました。

期間中はショーウィンドウだけでなく、館内全体で福山デニムの魅力を発信していきます。ぜひこの機会に足を運び、その質感に触れてみてください。モノづくりの原点を感じる展示と商品から、福山デニムのたしかな魅力が伝わってくるはずです。
松屋の地域共創
日本の春×TOKYO CREATIVE SALON
2026年3月11日(水)- 24日(火)
期間中、広島県福山市の「デニム」と群馬県桐生市の「刺繍」を使ったショーウインドウを展開。その他、備後地域のデニムブランドのPOP UPショップや館内のラリーイベント、ノベルティのプレゼントなどを通し、デニムの魅力をお楽しみいただけます。











