徳島県 
 藍師・染師 BUAISOU 

 徳島県 
 藍師・染師 BUAISOU 

天然の色素、天然の葉っぱから採れた青。
その綺麗さを共感できたら。

天然の色素、天然の葉っぱから採れた青。
その綺麗さを共感できたら。

注ぎ込まれた探究心、藍が染め上げた「銀座のつばめ」

 

松屋銀座の店頭にこの夏、深い藍の世界を背景に、凛とした白いつばめたちが舞い降ります。

私たち松屋銀座が確認しているだけでも、30年以上、毎年この季節に銀座に帰ってきてくれるつばめたち。つばめは商売繁盛や幸運を運ぶ縁起の良い鳥として知られていますが、銀座という場所につばめのイメージがある方は少ないはず。そんな「銀座のつばめ」たちを、温かみのあるタッチで仕上げてくれたのが小田中耕一さん。型染(かたぞめ)で独自の美しい世界を確立し、人間国宝に認定された故・芹沢銈介氏に師事、自身も型染業として作品を生み出し続けている小田中耕一さんによる「銀座のつばめ」たち。

そんな「銀座のつばめ」を藍染で手がけたのは、徳島県を拠点に藍の栽培から藍染めの染料となる蒅(すくも)づくり、染色・縫製まで作品制作を一貫して行う藍師・染師「BUAISOU(ブアイソウ)」。「自分たちの感性で、本当に欲しいものを一から全てを作る」。そう言い切るのは、BUAISOU代表 楮覚郎(かじかくお)さん。

「銀座のつばめ」たちに注ぎ込まれた、飽くなき探究心。独自の表現を切り拓く、彼らのものづくりが松屋銀座を彩ります。

藍の本場で、自分たちだけの藍を探す

青森県出身の楮さんが藍に出会ったのは、東京の美術大学在学中のことでした。染色を学ぶ中で化学染料に触れるほど、「天然染料の領域へ踏み込みたい」という衝動が強くなっていったと言います。

独学で草木染めを始めた楮さんは、やがて藍染めに行き着きます。「草木染めの多くは葉や木を煮込んで染めますが、藍は違う。発酵を経て、初めて青く染めることができます」。その特殊な仕組みに、楮さんは惹きつけられていきました。

行き先は自然と決まりました。藍染めの染料となる藍、そして、藍の葉を発酵させて作る「蒅(すくも)」の生産量が日本一の徳島県。「藍染めを志すなら、その本場で挑みたい」。青森で生まれ育った楮さんは、藍の産地へ自ら飛び込むことを選びます。

「徳島県は昔から吉野川沿いが藍の栽培地としてすごく栄えていました。江戸時代とか、100年、200年前に、この同じ場所で、もしかしたら藍を育てていたかもしれないなと想像すると、すごく嬉しいんです。だから、本場でやりたい、というのが一番の夢でした」。徳島の地を訪れ、その後、出会った仲間とともに2015年、BUAISOUを立ち上げました。

しかし楮さんは「特に修行したわけでもないので、伝統的ではない」と言います。「伝統的な職人さんのもとで修行して、それをそのままやっているということは一切なく、自分たちが想像したやり方、自分たちで考えた技法というのも、結構大事にしています」。素材も配合も染め方も道具すら、自分たちで考え、試す。それがBUAISOUのアイデンティティであり、彼らの青に、吸い込まれるような奥行きを与えているのです。

失敗の連続、でも、原因を突き詰めていく時間が面白い

BUAISOUの仕事は、布を藍に浸すその遥か前から始まります。畑を耕して藍を育て、葉を発酵させて蒅を作り、液を仕込み、パターンを引いて縫製する。染めに費やす時間は、工程全体のなかでごくわずかなのだと楮さんは話します。

素材も配合も染め方も、道具すらもオリジナル。畑を耕して藍を育てるところから全工程を自分たちで担い、試行錯誤を繰り返してきました。「僕らにとって、あまり『一人前』という考え方がないんです。どこまで行っても完成ではないですね」。

そのため、5人のメンバーに固定された役割はなく、全員が畑を耕し、藍を育て、染め、そして縫い上げます。縫製の方法が染まり方に影響し、染料の仕込み方が表現の幅を決める。すべての工程が一つの商品につながっているからこそ、全員が全工程を知っておく必要があると楮さんは考えています。

毎朝藍の状態を確認し、発酵の具合や天候に合わせてその日に何を染めるかを決める。「ほとんどは失敗の連続ですが、その原因を突き詰めていく時間が面白い」と楮さんは微笑みます。そうして一つのプロダクトが完成を迎えた瞬間を、楮さんはこう語ります。「満足感は本当に数秒だけです。すぐ次の失敗を見つけたり、次のことを考えたりします。でも、その数秒がやっぱり幸せです」。

自分には描けない絵に、自分なりの表現を重ねていく

今回のコレクションでは、小田中耕一さんが描いた「銀座のつばめ」の図案を落とし込み、BUAISOUのオリジナルプロダクトに新たな息吹を吹き込みました。「銀座のつばめ」というテーマを聞いたとき、楮さんには純粋な驚きと喜びがあったと言います。「BUAISOUの工房にも、毎年つばめが飛来します。松屋銀座にもつばめが帰ってくると聞いて、あんな東京のど真ん中にも来るんだと驚きました」。

小田中さんの絵を見て、染色の特性を深く踏まえた図案だと感じた楮さん。「『いかにも染色』という絵が描きたいけれど、自分には描けないというのがあったので、そこにやっと触れられるというのが嬉しかったです。僕には描けない絵を使ってデザインできるというのが、とても新鮮でした」。

楮さんが特に意識したのは、つばめの配置でした。小田中さんの図案を活かしつつ、自分なりの表現を重ねていく。描き手への最大限のリスペクトを込めて、つばめのサイズや数、その精緻なバランスに神経を研ぎ澄ませました。

描く者と染める者、それぞれの美学が持ち寄られた場所に、今回のプロダクトは生まれています。

さらに、松屋銀座とのこれまでの仕事について、楮さんは言います。「松屋さんとの仕事では、必ずどこかに新しい要素を入れるようにしています」。6年前の松屋銀座の仕事をきっかけに作り上げた滑車(かっしゃ)は、今も工房の上に吊られ、改良を続けながら使われています。「松屋さんのお仕事は、必ず『無理だろう』というものが多いんです。僕らもわざとそうしています。今回もより難しいデザインになっていったので、かなり時間はかかりましたが、でもなんだかそういったところが、すごく面白いところではあるんですよね」。

長い時間をかけて考え、生み出された確かな商品たち

BUAISOUのものづくりの起点にあるのは、常に「自分たちの感性を大切に、心から作りたいものを作る」というシンプルな情熱です。ただし、その「作りたいもの」の根底には、既成概念にとらわれない独自の視点があります。「普通はやらない選択の先にこそ、唯一無二の表現が生まれる」という信念が、彼らのものづくりを動かしているのです。

今回の松屋銀座のコレクションに向けて用意された10のプロダクトにも、その思想が一貫して息づいています。その中の一つに、構想から10年を経て完成させた「ストール」があります。「藍染の製品にもストールはよく取り上げられますが、我々にとってのストールとは何か。その問いのハードルが、ずっと高かったんです」と楮さんは振り返ります。

ストール
ストール

素材、織り、糸の番手……10年にわたる試行錯誤の先にたどり着いた生地に、今回は「銀座のつばめ」を描くためのひと工夫が加わりました。「本来ならば無地かグラデーションが向いている生地なのですが、今回は『板締め』という技法に挑んでいます」。

生地に木板をぐっと締め上げて染め上げる板締め。繊細な生地に立ち向かう緊張感のなかで染め上げることを選んだのは、そこにしか生まれない特別な藍の表情があるからです。繊維ごとに異なる藍の濃淡が生まれ、立体的で奥行きのある模様が描き出されています。

「今回のプロダクトは、僕たちがこれまで作り続けてきたオリジナル商品に、銀座のつばめの意匠を宿らせるというものです。常にオリジナルには力を入れてきた。今回はその商品たちに、つばめ柄が加わりました」

厚手Tシャツ(ポケット有)
厚手Tシャツ(ポケット有)

梶さんも普段、仕事中に着ているというTシャツへの愛着は、着心地を突き詰めた糸作りへのこだわりにも表れています。厚手Tシャツは希少な超長綿を使用しながら、あえて昔ながらの「空気紡績」で糸を仕立て、度詰めで編み上げるという独自の製法を採用。超長綿の耐久性を担保しつつ、本来の光沢を排してインディゴ独自の無骨で力強い美しさを引き出すためです。

BUAISOUが作るTシャツは、自分たちが毎日着るものを基準に作られています。タフに着込まれることを前提に素材と製法を選んでいるからこそ、着るほどに藍が体に馴染み、インディゴならではの経年変化が楽しめます。

胸ポケットには、小田中氏の描いた美しいつばめの図案が緻密な抜染(ばっせん)によって優美に白く抜かれています。BUAISOUがこれまで積み上げてきた技法と、小田中氏にしか描けない図案が出会うことで初めて生まれた一着です。

藍を、もう少し当たり前の存在に戻したい

化学染料が普及する以前、藍は暮らしのすぐそばにありました。「化学染料の時代になって140、150年くらいだと思うんですけど、以前は全てが天然染料だった。藍を、もう少し当たり前の存在に戻したい。その思いがあります」。そう語る楮さんは、今でも職人として藍の美しさに心を動かされ続けています。日常の中で気兼ねなく使い込まれてこそ、藍染め本来のタフな美しさが活きる。そう考えるからこそ、彼らは今もTシャツや日用品といった「暮らしの道具」を作り続けているのです。

「天然の色素、天然の葉っぱから採れた青っていうのが、その色素の綺麗さだったり、やっぱり普通にきれいだなと、今でも僕思うんです。この素材でグラデーションはすごくきれいだなと、今干してても思うので、それを共感できたらいいなと思います」。

試行錯誤を繰り返し、納得のいく一瞬を求め、手を動かし続ける。 藍と向き合い続けるBUAISOUの歴史が、この11点に宿っています。


×

商品ラインナップ


  • 厚手Tシャツ(ポケット有)

    厚地11ozのポケット付きオーバーサイズTシャツ。
    ゆったりシルエットとザラザラした生地が特徴です。インド産の希少な超長綿を用いながら、あえて昔ながらの「空気紡績」で糸を仕立てるというこだわりの製法を採用しました。超長綿ならではの高い耐久性はそのままに、ツヤを抑えたヴィンテージライクでドライタッチな質感が、インディゴ本来の無骨で力強い美しさを引き立てます。着込めるタフな一着の胸ポケットには、抜染技法で65mmのつばめ柄をあしらい、さりげない遊び心を忍ばせました。


  • Tシャツ

    糸の選定から生地作り、パターンの微調整に至るまで、BUAISOUが徹底してこだわり抜いたTシャツです。BUAISOUがこれまで積み重ねてきた知見をもとに、襟ぐり・リブ・丈のバランスを改めて見直しています。和歌山の熟練した編み職人と協業し、上質な柔らかさとなめらかな肌触りを実現しました。背面の首元に抜染でさりげなくあしらわれた銀座のつばめが、大人の日常着に静かな個性をプラス。長く着込むほどに心地よく馴染む、極上の一枚です。


  • あずま袋

    一枚の布を余すことなく活かす直線縫いの知恵から生まれた、伝統のあずま袋。国内で丁寧に織られたリネンに型染めのつばめ柄をあしらうことで、日本の美意識と、天然藍の清涼感が際立ちます。時を経るごとに柔らかく手に馴染んでいくリネンの経年変化。日本の「用の美」を体現する、長く愛でたい日用品です。


  • けん玉

    BUAISOUの創業時から長く愛され続ける、定番にして粋なアイテム。あえて無塗装の木地を使用し、玉の部分のみを天然藍で深く染め抜きました。染色後に完全なコーティングを施さないことで、遊ぶたびに藍が木肌に馴染み、刻まれた傷跡すらも美しい艶へと変化していく。そんな『自分だけの一つ』を育てる過程を存分にお楽しみいただけます。


  • コースター(インディゴ)

    茎の繊維をありのままに織り込んだ麻生平の、古風で豊かな風合いが息づく一枚。手仕事の温もりが宿る素朴な生地に、繊細な型染めで愛らしい銀座のつばめの佇まいをあしらいました。深く澄んだ天然藍の青とリネンの質感が美しく響き合い、夏の涼やかなティータイムを品格豊かに演出します。


  • コースター(ライトインディゴ)

    茎の繊維をありのままに織り込んだ麻生平の、古風で豊かな風合いが息づく一枚。手仕事の温もりが宿る素朴な生地に、繊細な型染めで愛らしい銀座のつばめの佇まいをあしらいました。深く澄んだ天然藍の青とリネンの質感が美しく響き合い、夏の涼やかなティータイムを品格豊かに演出します。


  • タペストリー

    手織りリネンの涼やかな透け感と、白いつばめの意匠が優雅に浮かび上がるタペストリー。高度な型染め技法である「両面糊置き」を駆使し、裏表の別なく美しい染め上がりを実現しました。単体で壁面を彩るタペストリーとして、あるいは2枚を連ねて暖簾として。リネンの繊維を通り抜ける光と風が、夏のしつらえに品格と清涼感をもたらします。


  • バンダナ

    19世紀末、化学インディゴが工業化される直前のバンダナ生地を参考に、糸番手・糸質・織密度を見直し、両耳仕様で織り上げた一枚です。この幅を織ることのできる希少な旧式織機を徳島の機屋に依頼し、柔らかくなめらかな肌触りの生地を実現しました。美しく均一に染め上げた藍の生地に、緻密な「抜染(ばっせん)」技法でつばめ柄を描き出しています。くちばしや頬の繊細なニュアンスを表現するため、抜染の濃度を二段階に分けるという手の込んだ加工を施した特別な一枚です。


  • 手ぬぐい

    BUAISOUが丹精を込めて仕立てる手ぬぐいと、小田中氏が描く銀座のつばめの図案が融合した、粋でモダンな一枚。伝統的な35cm幅の木綿生地を用い、両端は手ぬぐい本来の姿である切りっぱなしで仕上げています。旧式のシャトル織機が生み出す美しい生地の「耳」や、時を経るごとに増すほつれも、道具としての豊かな表情。使うほどに手放せなくなる、愛着の湧く日用品です。


  • ヘンプブレスレット

    暮らしに寄り添う藍染のブレスレットを、心惹かれる特別なパッケージで。レトロなマッチ箱を彷彿とさせる『特別仕様のつばめパッケージ』に収めました。ユニセックスで楽しめる親しみやすいデザインは、ご自身の日常使いにはもちろん、大切な方へ贈る夏の手土産としてもふさわしい、粋な佇まいです。


  • ストール

    100cmx200cmの大判薄手ストール。カシミア、シルク、ラミー(苧麻)という特性の異なる3つの極細糸を、薄手織物を得意とする山梨県の機屋が独自のシャトル織機でゆっくりと織り上げ、シルクカシミヤ混紡の上質な肌触りの中に極細番手のラミーを入れることによって僅かにシャリ感を出しています。薄くとも立体感があり、空気とカシミヤの温かさをまとうような着心地を実現しています。この繊細な生地を板で強く締め上げながら染め上げる「板締め」の技法で、反復して飛び交う銀座のつばめ8羽を表現。繊維ごとの染料吸収率の違いが一本一本の糸に濃淡をもたらし、立体的で奥行きのある模様を生み出しています。

 徳島県 
 藍師・染師 BUAISOU 

 徳島県 
 藍師・染師 BUAISOU 

天然の色素、天然の葉っぱから採れた青。
その綺麗さを共感できたら。

天然の色素、天然の葉っぱから採れた青。
その綺麗さを共感できたら。

TOP